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【小学生・中学生の弓道】保護者様に読んでもらいたいこと

本記事をお読み頂く前に。

小学生、中学生のお子さまで、弓道を習うにはかなりの条件が整わない限り難しいと思います。一般的に弓道を始める年齢は高校生からです。これは全国的に共通で、小学生から受け入れてくれる弓道場は限られています。私どもとしては弓道が「始められる年齢まで待つ」ことをご理解頂けるようお伝えしています。


なお、このページはかなりの長文となりますので、まずは結論を申し上げます。

東京及びその隣接県で小学生、中学生を常時受け入れている弓道教室は「ゆみやさん」だけです。

年間500人を超えるお子様が当店に相談に訪れます。またその多くの方が、当店の相談をきっかけに問題が解決するか、方向性が定まります。


困っているなら、まずは「ゆみやさん」にお越し下さい。


5歳の男の子が弓を引いている様子をご覧頂けます


①小学生の弓道人口は全国100人以下

小学生の弓道に関してデータや経験を元に解説します。


まずはこちらをご覧下さい。

これは全日本弓道連盟が令和4年時点で集計している全国の弓道連盟会員数の一覧です。


細かく読むのは大変です。ざっくり申し上げると日本全国の小学生弓道家は「68人」です。

全国に620万人の小学生がいる中で、小学生弓道家は68人です。つまり約10万人に1人となります。

いかに少ないかがお分かり頂けるはずです。


なぜ少ないかを私の経験や、小学生の指導をしている先生から伺った話を元に解説します。


●弓道具がない

一番の要因は子供用の弓具がないということです。

厳密には「無い」ではなく「できない」が正しいと思います。


お子様がいらっしゃるご家庭ならお分かりかと思いますが、服や靴は毎年買い替えが発生します。


弓道具も同じです。成長に連れ買い替えが発生します。

ところが服と違い弓道具は高額です。続けてくれるか分からないものにお金を出せるご家庭は多くありません。


となれば地域の弓道団体で弓具類を負担して欲しい。となるわけですが、体格が異なる子供に合わせた弓具の購入は、非営利の弓道連盟では限界があります。

その為、子供用の弓具を揃えるのが難しくなります。


●ゆみやさんでは

一方、ゆみやさんはお子様ひとりひとりに合った弓具を貸出しています。

弓、矢、弽も大量に用意し、職人への依頼、自社で調整をしています。

自分達で申し上げるのもなんですが、日本一、子供用の弓具を所有している。と思っています。専門店だからできること。ココに価値を見出して頂けたらと思っております。

②お金を払っても弓道が始められるとは限らない

小学生の弓道人口が少ない理由として子供用の弓道具がない。というお話をしましたが、今回は「お金を払っても弓道が始められるとは限らない」について解説します。


時折、いくらお金がかかっても良いので、弓道を始めることはできないでしょうか?と質問を受けることがあります。とても心強いご相談ですが、金銭的な問題が解決しても弓道を始められるとは限りません。その理由に小学生の指導をしてくれる指導者が極端に少ないということです。


その理由を解説します。


●骨格に影響が出る。という思い込み

「子供が弓道をやると骨格に影響が出る」とおっしゃる方がいます。はて...どれほど過酷な修練をさせるのでしょうか?

そうです。高段者の先生であっても子供の指導経験がない人がほとんどです。昔から「言い伝え」のような情報を引きずっている方がいます。先生方は高校生くらいが使用する弓を小学生に使用させるイメージなのです。

そのため「身体に影響が出る」と憶測から発言しています。たしかに地域の弓道場で借りることができる弓は弱くても8㎏前後(引っ張りの強度)かと思います。


一方、ゆみやさんには「3kg」というとても弓力の弱い弓を揃えています。弓具にはこだわり、細い握り、弓の重量も軽く、慣れれば幼児でも使うことが可能です。身体への負荷がありません。

また練習量です。骨格が曲がるほどの練習をさせるということは指導者として失格でしょう。適切な矢数、時間を意識して無理のない指導をすることは当然だと思います。

他のスポーツを悪くいうわけではありませんが、サッカーや野球といったメジャースポーツの方が、肘や膝を痛めることも多く、接触事故も少なくありません。私からしてみれば弓道のほうが安全だと思います。


●そもそも子供を教えたくない

これはちょっと残念な回答です。私の知り合いの先生は、子供を教えたくない。とキッパリ回答されていました。これには原因があります。「弓道を習う」となると、多くの方は弓を引っ張って矢を放つ練習を教えてくれると思って来ます。

当然です。弓矢の競技ですから。ところが、弓道には体配という所作の練習があります。他にも弓道におけるマナーの習得など、覚えることが多い武道です。

この体配の練習は子供にとって「ツライ」「つまらない」となることがほとんどです。「矢を放って楽しめる」と思って来たものの、所作の練習が多く、継続できないことがしばしばです。なかにはダラダラしてしまい、遊び始めてしまう子供もいます。想像に難くないと思います。そのため、先生の中には子供の指導は遠慮したい。とおっしゃる方がいるわけです。


●まとめ

弓道を始める時期は高校生からが一般的です。早くても中学生からとなります。小学生から弓道を始めるにはそれなりの条件が揃わなければ難しいと思います。決して焦らず、時期が来るまで他の競技に取り組むのはいかがでしょうか?

③早期に弓道を始めるのは上達の近道

弓道を早くから始めるメリットはありますか?早く始めた方が有利ですか?とのご質問を多数頂きます。まずは結論を。早くから始めた方がメリットがあり有利です。今回はこちらについて解説します。


●前提として

適切な指導や、基礎練習をしっかりと行う練習環境が整っているとします。


●なんでも早い方が良い

多くの方が小さいころにさまざまな経験をさせたほうが、子供の可能性が広がると考えていると思います。例えば、学習塾で有名な「公文」は幼児の段階から勉強の習慣を身に付け、小学校の授業カリキュラムより先に進む指導を行います。小学校に入学したときには読み書き、計算ができる様になり、学校の授業でつまづかない様にします。授業がわかることが自信となり、結果成績も良くなります。成績が良くなれば、学習意欲も高まり勉強することの理解も深まるはずです。

これは弓道を早く始めることと同じです。早く弓道と出会えた子供は幸運です。ましてや楽しさを見いだせたら最高です。


●勘違いを正し、学ぶ時間を長く

弓道の経験のない方にとって弓矢は引っ張れば飛んでいくもの。と思われているかもしれません。はっきり申し上げて、弓道はそんなに甘くありません。まず、弓道は弓を引くに至るまでの所作(体配)の習得も必須となります。弓道場のマナーや用語の学習。射法の理解にとても時間がかかります。つまり覚えることが多い競技と言えます。アクティビティ施設で体験できるダーツやボーリングのノリでやりたいとお越しになる方がいますが、それは不可能だと思って下さい。その為、少しでも早く始めることが、早く勉強を始めるのと同じだということです。1年だけの経験と3年経験した人では知識や経験に差が出るのと同じです。


●感覚を身に付けるのが難しい

弓道の用語「手の内」についてお話をします。詳しく解説をすると膨大な情報量となりますので、ここでは左手(弓を持つ側)とだけお伝えします。この「手の内」の感覚の習得は半年、1年で身に付けるのは困難です。やはり数年の修練が必須となるでしょう。当然、早く始めた人のほうが有利であると言えます。


●遅く始めた人は不利なのか?

個人差だと思います。本人の努力次第と言えますが、多く時間を掛けられる人が有利だと思います。


●データが物語る結果

関東圏を元にデータを紹介します。関東の高校弓道部の強豪県は昔から変化していません。それは「栃木県」です。なぜ栃木県の高校弓道部が強豪なのか?これは栃木には中学校の弓道部が関東圏で一番多いという事です。そうです。弓道を始めるタイミングが高校生といわれている弓道が、中学生から始めている人口が多い珍しい地域です。指導者も実績のある方が多く、県民の人口比に対して競技人口が多く施設も充実しています。公立の中学校にも弓道部があり、環境も身近です。3年早く始めていることと、指導者の充実が相まっていることも強豪校が多い理由です。

※栃木県の選手は大学にスポーツ推薦進学者を多数輩出しています。大学卒業後、栃木に帰り選手、指導者として活動される方が多いのも理由だと思います。


●小学2年生、T君のデータ

弓道教室の生徒。T君にとても良いエピソードがあります。彼は当店最年少の小学2年生で弓道教室に入会しました。小学4年生の時に付属中学校の弓道部体験会があり、さっそく参加したそうです。当然まわりのお子さんは弓も触ったことがないほどの状況ですが、T君は既に弓道3年目。体験で渡された弓と矢を持ち、所作をきっちり行い、簡単に弓を引いてあてる。弓道の一通りは習得している彼にとっては体験は手慣れたもので、会場中が驚くほどの射技レベルだったそうです。一緒に参加された保護者様も鼻が高かったでしょう。T君はこのとき感じたそうです「弓道をやっていて良かった!」と。私もその話を聞き、弓道の基礎訓練の大切さと、難しさを改めて説明する機会となったのです。T君はその体験がきっかけに更にやる気に満ち溢れ、前向きに練習に取り組んでいます。成功体験の積み重ねの大切さを感じるエピソードです。


●成功も失敗も早い方が良い

どんなことでも、成功も失敗も早い方が良いと思います。早くから成功すれば、追われる側となり、そのプレッシャーを感じて生活するはずです。これはこれで大きな学びです。一方、失敗が早いことは反省するという学びを得られます。なぜ上手くいかないのかを考えて、自分を振り返るきっかけとなるはずです。これは弓道に限った話だけではないかもしれません。


●まとめ

何事もまずは挑戦を。弓道があわなければ別の事に挑戦を。

④弓道が上手くなる方法

今回は弓道が上手くなる方法。について解説します。なお注意点としてあくまで「絶対」ではないということを理解頂いた上でお読み頂くと幸いです。


●指導者が常に見ているか?

勉強や仕事でも同じことかもしれませんが、監督者の目がある中で物事を行った方が緊張感があるはずです。普段から緊張した環境を作り、慣れる。ということは弓道では重要な要素だと思います。

練習では調子が良いのに、本番で上手くいかないという選手をよく見ますが、そのほとんどが普段から大会と同じような緊張感で練習をしていないことにあると思います。環境を作ることの大切さと言えるでしょう。


●弓具にお金をかけることができるか

私は仕事柄、多くの学生と接する機会があります。当然ですが強豪校と弱小校の違いにも気付きます。

最大の違いは弓具にお金をかけているかどうかです。弓道は道具を使う競技です。モノ無くして戦うことはできません。ここで結局「金」か?と思われるかもしれませんが、強豪校の学生が特別お金持ちのご家庭というわけではありません。むしろ普通のご家庭出身が多い様に感じます。私が申し上げたいのは優先順位を弓具にしているか否か。ということです。例えば弱小校の学生が弓具にお金をかけられない訳ではありません。むしろ「弓道以外の趣味」にお金を使っていることがよくあります。私は以前、ある学生達に弓具を新調することを勧めました。と言うのも、学校の使い古された弓を使い、羽はボロボロの矢、カケもサイズが合っていない。という状況を目の当たりにしたからです。費用がかかるのは当然ですが、少し努力することで買えないことはないはずです。一生に一度しかない学生生活をせっかくなら良い結果で終えて欲しいと思う私としては、ここでお金をかけないのはもったいないと感じます。


ちなみに、これはゆみやさんの小学生、中学生の弓道教室でも同じことが言えます。時折、もう少し安く習えないか。といった相談がありますが、私どもの教室は自身で弓具を買い揃える費用分くらいの料金に設定しています。つまり費用は妥当だということです。もし経済的な事情があるのであれば一度相談頂きたいと思いますが、決して難しい金額だとは思いません。むしろお子様を弓道教室に通うことをきっかけに家計の見直しをしてはどうでしょうか?


●親は協力してくれているか?

親の協力は絶対不可欠です。と言っても手取り足取りマネージャーの様に手助けして欲しい。ということではありません。どんな時でも弓道に打ち込んでいるお子様を信頼して見守って欲しい。ということです。中途半端な関わりほど悪はありません。過干渉も足を引っ張ると思って下さい。

割と多いケースとして「部活に打ち込んでいると学業成績が下がるので辞めて欲しい」という保護者様がおりますが、このセリフを言った時点で。。。あえてその先は申し上げませんが、良い結果は生まないと思って下さい。


とここまで弓道が上手くなる方法を解説しました。えっ?どこが上手くなる方法なんだ?と思われるのは当然でしょう。技術的な部分にフォーカスをあてるのでなく、私は環境こそ重要と考えているからです。諦めず、地道な努力は少なからず結果となります。頑張れる環境を作ってあげることが上達への道と思って頂けると幸いです。

⑤体育嫌いな子が弓道で輝く

この記事をお読みの方のほとんどは、小学生のお子様がいる保護者様かと思います。たまたま子供が弓矢に興味を持ち、このホームページに辿り着いたはずです。せっかく興味を持ったことなのだから、子供に弓道を習わせたい。という想いがある一方「ウチの子供は運動が苦手なんです。。。」と。こんな心配も抱えている方も多くいらっしゃいます。今回はこんな悩みを持った保護様に向けて解説します。


●本当に運動が苦手なのか?

私からしてみると運動が苦手な子は「運動が苦手」なのではなく「やり方がわからない」という子だと思います。例えば学校の体育をイメージして下さい。バスケットボールやサッカーの基礎的な練習を一から習った。ルールの講習を受けたことがある。という方はいらっしゃいますか?おそらくゼロではないでしょうか?細かなルールを知っているのは地域のクラブチームにいる子や、部活動で始めた子くらいだと思います。するとどうでしょうか?運動のやり方を知らない子供は自然と置き去りになります。ある程度運動センスのある要領の良い子、クラブチームに所属している子が有利な状況が生まれます「やり方がわからない子」は結果が出にくく、次第に身体を動かすことが後ろ向きになり運動から遠ざかって行くはずです。「つまらない」が発生する原因でしょう。


●置き去りにしない

弓道教室の指導方針はその子にあった指導方法を行います。これが等級制度です。初級の子は初歩的な基本練習をひたすら行います。初級生は初級生でまとまって練習します。つまりほかの子と練習内容に差が出ません。良く出来る子がいて、上手くいかない子がいて。といった環境が生まれない様にしています。劣等感を感じない環境は運動が苦手な子にとって安心だと思います。


●誰もやっていないからチャンス

弓道を始める年齢は高校生からが一般的です。つまり中学生以下の子供はまさに白地。チャンスの時期と言えます。私は小学3年生前後から弓道を始めることを強く勧めています。これは小学3年生から始めるとまずライバルはいません。3~4年もすれば中学生です。その頃には驚くほど弓道の技術は向上します。中学校で弓道部がある学校に進学を目指し、入部と同時にスタートダッシュが切れます。これほどのチャンスはありません。ほかの子が1年、2年かけて覚えることを、既に習得している訳です。


●好きが得意になる好循環

まずは弓道を好きになって頂きたい。そのうえで得意になってもらいたいと思っています。その好循環が自信となり、結果が出てくるはずです。悩まれているなら、ぜひ一度ご相談を。

運動が苦手な子ほど弓道を

⑥練習時間は短く!

※現在、弓道教室(集団指導)は行っておりません

今回は弓道教室の練習時間について解説します。まず結論です。長時間練習は悪。とだけ申し上げておきます。また短時間練習を短期間に反復した生徒のほうが圧倒的に成果が上がっているという結果も添えておきます。


弓道教室の集団指導は練習開始から終了まで3時間半ありますが、開始、終了の時間を個々の判断で行えます。簡単に言ってしまえば、時間内いつでも来れて、いつでも帰れます。練習時間は30分でも3時間半でも構いません。こんな参加方法を実施している弓道教室は私どもの教室以外ないと思います。


なぜこのような方法を採用しているかといった理由ですが、弓道教室の参加者は遠方から来ている子がほとんどです。通学1時間はあたり前です。そうなると遠方から来るお子さんはどうしても練習開始時間に間に合わせることが負担となります。その為、当教室では開始時刻の決まりを設けず、終了も自分のタイミングで行える参加形態をとっています。


この時点で「参加しやすい」と思われる方が多いのではないでしょうか?そうです。とにかく参加のしやすさを優先しています。通常、習い事は○時に集合、準備体操をして~。と決まったスケジュールになりがちです。私どもの教室にはそういったシステムはありません。


弓道教室に入会したばかりのお子さんはどうしても長時間練習をしがちです。しかし、長時間となると体力、集中力ともに切れてしまい、記録も伸びません。段々と要領を掴んでくると時間管理も上手くなっていきます。そういったことは弓道だけでなく、勉強の仕方や仕事でも大切だと思いませんか?


練習は集中して歯切れよく、ダラダラとした長時間はダメ。


生徒の様子を確認できるようYouTubeでライブ配信をしています。保護者様も教室の様子をリアルタイムでご視聴頂けます。※視聴は保護者様に限ります。

著:指導責任者

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