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【小学生の弓道②】お金を払っても弓道が始められるとは限らない

小学生の弓道人口が少ない理由として子供用の弓道具がない。というお話をしましたが、今回は「お金を払っても弓道が始められるとは限らない」について解説します。


時折、いくらお金がかかっても良いので、弓道を始めることはできないでしょうか?と質問を受けることがあります。とても心強いご相談ですが、金銭的な問題が解決しても弓道を始められるとは限りません。その理由は小学生の指導をしてくれる指導者が極端に少ないということです。


その理由を解説します。


理由① 骨格に影響が出る。という思い込み

子供が弓道をやると骨格に影響が出るから良くない。とおっしゃる方がいます。はて...どれほど過酷な修練をさせるのでしょうか?

そうです。高段者の先生であっても子供の指導経験がない人がほとんどです。昔から「言い伝え」のような情報を引きずっている方います。先生方は、高校生くらいが使用する弓を小学生に使用させるイメージなのです。その為、身体に影響が出る。と憶測から発言しています。たしかに地域の弓道場で借りることができる弓は弱くても8㎏前後かと思います。

一方、ゆみやさんには3kg※①というとても弓力の弱い弓を揃えています。弓具にはこだわり、とても細い握り、弓の重さも軽く、慣れれば幼児でも使いこなすことが可能です。身体への負荷がありません。また練習量です。骨格が曲がるほどの練習をさせるということは指導者として失格でしょう。適切な矢数、時間を意識して無理のない指導をすることは当然のことかと思います。

他のスポーツを悪くいうわけではありませんが、サッカーや野球といったメジャースポーツの方が、肘や膝を痛めることも多く、接触事故も少なくありません。私からしてみれば弓道の方がむしろ安全だと思います。


※①写真:さまざまな種類の弓を用意


理由② そもそも子供を教えたくない

これはちょっと残念な回答です。私の知り合いの先生は、子供を教えたくない。とキッパリ回答されていました。これには原因が...弓道を習える。となると、多くの方は弓を引っ張って矢を放つ練習を教えてくれると思って来ます。当然です。弓矢の競技ですから。ところが、弓道には体配という所作の練習があります。他にも弓道におけるマナーの習得など、覚えることが多い武道です。

この体配の練習は子供にとって「ツライ」「つまらない」となることがほとんどです。矢を放って楽しめる。と思ってきたものの、所作の練習が多く継続できないことがしばしばです。なかにはダラダラしてしまい、遊び始めてしまう子供もいます。想像に難くないと思います。その為、先生の中には子供の指導は遠慮したい。とおっしゃる方がいるわけです。


なお、ゆみやさんでは入会試験制を導入しています。所作の練習も含めて真剣に学びたいというお子様に選抜させて頂くようにしています。その甲斐あってか前向きな生徒のみが弓道教室に通っています。どんなものでも環境は大事だと思っているからです。


●まとめ

弓道を始める時期は高校生からが一般的です。早くても中学生からとなります。小学生から弓道を始めるにはそれなりの条件が揃わなければ難しいと思います。決して焦らず、時期が来るまで他の競技に取り組むのはいかがでしょうか?


次回は「早期に弓道を始めるのは上達への近道...か?」について解説します


著:指導責任者

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