①半弓と大弓の長さの違い
半弓の長さは160㎝、大弓の長さは約220㎝あります。半弓であっても世界の弓のなかでは「ロングボウ/長弓」と同じ扱いになります。
皆さんが良く知っている弓道は大弓になります。学生の弓道部で使用する弓も大弓です。
②的までの距離は?
半弓:7m
大弓:28m(または60m)
大弓は的までの距離が遠く、初めて体験する方では的にあたるどころか、的まで矢が届かないことがほとんどです。
③大弓は難しい
大弓のコントロールは難しく、また怪我をする危険性があります。その理由は大弓と半弓の引き尺(引っ張る長さ)の違いにあります。
半弓は弦を顔の前まで引きます。
全景の写真です。
わかりやすく青いゴムを使用しています。半弓は顔の前までしか弦を引かないため安全です。
一方、大弓は耳の後ろまで弦を引きます。
※事故防止のため、素手で弦を引いています。
弦は耳の後ろまで引きます。
ここでの注意点は弦を離したあとの軌道です。半弓であれば、腕の前を通過するだけですが、大弓は耳や頬の後ろを通過します。技術が未熟であれば弦が耳、頬、腕に直撃することがあります。
これは大弓を初心者が体験し、弦が腕にあたった怪我の写真です。
耳や頬であれば、二度と弓道をやりたくない。と言う方もいます。
現に弓道を辞めてしまう原因の一つがこの弦が払う(あたる)ことによるものがあります。
④始めから大弓を引かせない
当たり前のこととして、初日からいきなり大弓を引かせる指導者はいません。弓の握り方もわからない人に大弓を引かせるのは事故につながる可能性があるからです。一方、イベントとして弓道体験をさせてくれるケースもありますが、そのほとんどが大弓を顔の前(もしくは横)まで引っ張らせて放つ、という体験になります。つまり「半弓と一緒」です。
⑤だから半弓から始めて欲しい
当店は弓道を始めたいと思われる方、一回体験したいという方ほど、半弓から体験して欲しいと思っています。半弓は扱いやすく安全で、的にあてる楽しみも十分あります。初めての体験で怪我をしたら、ちょっと残念ではないでしょうか?
⑥半弓から始めた方が上手くなる
多くの方が、弦で耳や顔や腕を払う恐怖で弓道を辞めてしまいます。そこで半弓です。半弓は引き尺も小さく、威力も弱い為、手の内の作り方、弓の押し方を習得するのに適しています。現に当店の弓道教室の生徒は、弦で払うことによる恐怖で辞めてしまった生徒はいません。半弓からだと長いステップを踏むこととなりますが、結果として着実に射技が身に付くと言えます。
⑦大弓の簡易体験も受けられます
大弓を体験してみたい。という方の為に矢を放つことは出来ませんが、大弓の簡易体験を実施しています。また大弓で使用する弽(ゆがけ/鹿の革でできたグローブ)にも触れる機会を設けています。
左:チョンがけ(半弓用) 右:堅帽子(大弓用)
半弓で使用するチョンがけは柔らかく、どなたでもすぐに扱えます。
大弓で使用する堅帽子は親指が固く曲がりません。半年から1年ほどの練習が必要です。
大弓の簡易体験は大変好評です。ぜひ一度体験されてみてはいかがでしょうか?