弓道を早くから始めるメリットはありますか?早く始めた方が有利ですか?とのご質問を多数頂きます。まずは結論を。早くから始めた方がメリットがあり有利です。今回はこちらについて解説します。
●前提として
適切な指導や、基礎練習をしっかりと行う練習環境が整っているとします。
●なんでも早い方が良い
多くの方が小さいころにさまざまな経験をさせたほうが、子供の可能性が広がると考えていると思います。例えば、学習塾で有名な「公文」は幼児の段階から勉強の習慣を身に付け、小学校の授業カリキュラムより先に進む指導を行います。小学校に入学したときには読み書き、計算ができる様になり、学校の授業でつまづかない様にします。授業がわかることが自信となり、結果成績も良くなります。成績が良くなれば、学習意欲も高まり勉強することの理解も深まるはずです。
これは弓道を早く始めることと同じです。早く弓道と出会えた子供は幸運です。ましてや楽しさを見いだせたら最高です。
●勘違いを正し、学ぶ時間を長く
弓道の経験のない方にとって弓矢は引っ張れば飛んでいくもの。と思われているかもしれません。はっきり申し上げて、弓道はそんなに甘くありません。まず、弓道は弓を引くに至るまでの所作(体配)の習得も必須となります。弓道場のマナーや用語の学習。射法の理解にとても時間がかかります。つまり覚えることが多い競技と言えます。ダーツやボーリングのノリでやりたいとお越しになる方がいますが、それは不可能だと思って欲しいです。その為、少しでも早く始めることが、早く勉強を始めるのと同じだということです。1年だけの経験と3年経験した人では知識や経験に差が出るのと同じです。
●感覚を身に付けるのが難しい
弓道の用語「手の内」についてお話をします。詳しく解説をすると膨大な情報量となりますので、ここでは左手(弓を持つ側)とだけお伝えします。この「手の内」の感覚の習得は半年、1年で身に付けるのは困難です。やはり数年の修練が必須となるでしょう。当然、早く始めた人のほうが有利であると言えます。
●では遅く始めた人は不利なのか?
個人差だと思います。本人の努力次第と言えますが、多く時間を掛けられる人が有利だと思います。
●データが物語る結果
関東圏を元にデータを紹介します。関東の高校弓道部の強豪県は昔から変化していません。それは「栃木県」です。なぜ栃木県の高校弓道部が強豪なのか?これは栃木には中学校の弓道部が関東圏で一番多いという事です。そうです。弓道を始めるタイミングが高校生といわれている弓道が、中学生から始めている人口が多い珍しい地域です。指導者も実績のある方が多く、県民の人口比に対して競技人口が多く施設も充実しています。公立の中学校にも弓道部があり、環境も身近です。3年早く始めていることと、指導者の充実が相まっていることも強豪校が多い理由です。
※栃木県の選手は大学にスポーツ推薦進学者を多数輩出しています。大学卒業後、栃木に帰り選手、指導者として活動される方が多いのも理由だと思います。
●成功も失敗も早い方が良い
どんなことでも、成功も失敗も早い方が良いと思います。早くから成功すれば、追われる側となり、そのプレッシャーを感じて生活するはずです。これはこれで大きな学びです。一方、失敗が早いことは反省するという学びを得られます。なぜ上手くいかないのかを考えて、自分を振り返るきっかけとなるはずです。これは弓道に限った話だけではないかもしれません。
●まとめ
何事もまずは挑戦を。弓道があわなければ別の事に挑戦を。
次回は「弓道が上手くなる方法」について解説します
著:指導責任者
